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データサイエンティストこそUI/UXの意識が必要
2025/02/25
(データサイエンティストやデータサイエンティストを目指す方向けの投稿です。)
データサイエンティストの価値といったら、どんなことが思い浮かぶでしょうか?
パっと思い浮かぶところとしては、「難しい問題を解決する」「高度なアルゴリズムを作る」「未知の事象を発見する」といったことでしょうか。
たしかにこれらができることはキャリア上は重要な強みになることは間違いないでしょう。
しかし、顧客や顧客対応しているメンバーから見たときはどうなのかが重要というのが、ここ最近強く感じるところです。
わかりやすい例として、システムエンジニアの職種では、大きくフロントエンドとバックエンドに分かれます。ざっくりといえば、フロントエンドはUI/UX、バックエンドはAPIやDB、インフラといったところでしょうか。
データサイエンスは扱う内容やプログラミング言語的にもバックエンドエンジニアの方が近く、統計学や情報理論などを基礎とする以上、ロジックを作り上げることが職業上ウェイトの多くを占めます。
それゆえ、データサイエンティストの目線からだと、顧客視点を忘れてロジックをつくることに目がいってしまいがちではないかと思います。実際私もそうでした。
ここで、データサイエンティスト協会が提唱している「データサイエンティストに求められるスキル」について触れたいと思います。
同協会では、「ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の3つ。」が重要と言及されています。
これは極めて、実務の観点からみたときに求められるスキルを的確に示していると思います。
さきほどのエンジニアの例でいいますと、システム動作においてフロントとバックエンドが分かれるように、AIによる出力においても、フロントエンドにあたる部分があり、つまり、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)が存在します。
つまるところ、AIとてシステム(自動化)の延長にあり、操作しやすいのか、満足した結果が得られるのか顧客視点は必ず存在します。
ただ、AUCやF1 Score、R2がよければ完了という話ではありません。
予測した結果が顧客観点からしっくりくるのか、モデルが重すぎて読み込めないことがないか、GPUがいるやたらハイスペックなサーバーが必要で顧客の予算を超えることになってないかなど、「サービス」として提供するためには顧客視点や顧客価値からの逆算が必要不可欠になります。
私なりの言葉でいうと、(一部に過ぎないでしょうが)これが「ビジネス力」ということだと思います。
ユーザーが提供するデータは必ずしも完璧ではなく、また、どんなに頑張っても精度を一定以上向上させられないケースも出てきます。
そうした状況において、ユーザーが納得できる体験を提供できるかどうかが重要です。
技術力が高い会社は多くあると思いますが、顧客からの満足度も高く、多くの対価を頂いている企業ほどこのデータサイエンス文脈における「UI/UX」がしっかりしていると感じています。
Kaggleで良い実績を残した、特許を取った、国際ジャーナルに投稿したなど、キャリア視点からみると素晴らしい成果なのですが、顧客視点からだと本当に価値になっているかは、ユーザーの立場にならないとわからないところです。
チーム内に顧客サイドに立ってくれるメンバーがいてインタープリタになってくれる方がいるならば、必ずしもここで述べられているような視点はマストではないかもしれません。
しかし、エンジニアがフルスタックを目指すように、顧客満足度の高いデータサイエンティストになることを目指されているならば、重要な観点になってくると考えています。
特に個人事業主の方のように、一人で開発から顧客対応までこなさないといけない方であれば、マストともいえるでしょう。
この記事が少しでもお役に立てば本望です。最後までお読みくださり、ありがとうございました!